「新築のときに比べ、外壁が劣化してきた…」とお悩みの方もいるかもしれません。そのままにすると景観を損なうだけでなく、さらなる劣化を引き起こすことも。なぜ外壁は劣化してしまうのか、劣化のサインはどんなものがあるのか。また、実際に外壁塗装をすることになった場合、どの季節に行ったらよいのか。この記事でわかりやすく解説します。
外壁塗装の劣化原因
はじめのうちは綺麗な外壁も、月日が経つにつれ少しずつ劣化していきます。外壁塗装の耐用年数は、使う塗料の種類によって変わってきますが、現在の住宅塗装で多く用いられているシリコン塗料だと7〜10年ほどといわれています。
まれに塗装業社の施工不備が原因の場合もありますが、そのほとんどは「自然環境の影響」や「月日が経ったこと」によるものです。以下でさらに詳しく、主な劣化原因を3つ紹介します。
■光や熱、紫外線、雨風などによる影響
毎日太陽からの紫外線や雨風などを直に浴び続けている外壁。こうした自然環境の影響は、「チョーキング」と呼ばれる現象の主要因になっています。
「チョーキング」とは、外壁に触れたとき、手のひらに白い粉が付着する現象のこと。塗料中の顔料がチョークのような粉状の物質へと変質したことのよるもので、白亜化現象とも呼ばれています。
■塗料や素材の変質(経年劣化)
外壁塗装に使われる塗料や材質は、温度変化による体積の膨張・収縮を繰り返しています。これは「クラック」と呼ばれるひび割れの主要な原因となっています。
また、外壁に使われる塗料には、顔料・樹脂剤・添加剤といったさまざまな成分が含まれており、これらの成分が月日と共に変質することも、劣化の原因になります。
■コケやカビの付着
コケやカビは、胞子が外壁に付着して一定の温度と湿度さえあれば、どんどん増えていきます。これらをそのまま放置しておくと、外壁の劣化スピードをはやめてしまいます。
外壁塗装を検討するべき劣化のサイン
「具体的に、外壁がどんな状態になっていたら塗り替えが必要なの?」もいるでしょう。そこで、代表的な劣化のサインを3つあげてみます。
■手に白い粉がつく(チョーキング)
外壁を触ったとき、手に白い粉がつく「チョーキング」現象は、劣化のわかりやすいサイン。紫外線や直射日光、雨風などが主な原因となり、塗装の表面が劣化して起こります。
この「チョーキング」を放置してしまうと、外壁のひび割れやカビの発生を促進させてしまうリスクがあるため、早めの対応が必要です。
■塗膜のはがれ
外壁の塗膜がはがれたり、膨れていたりしませんか?こうしたサインを放置しておくと、外壁の内部に雨水が侵入したり、ひび割れなどに発展したりする可能性があります。
■ひび割れ(クラック)
外壁に生じるひび割れを「クラック」といいます。「クラック」を放置しておくと、そこから雨水が浸入してカビが発生しやすくなります。さらに、家全体の強度低下を引き起こすリスクもあります。
このほか、外壁の色あせも劣化が始まっている証拠のひとつです。色あせだけであれば、早急に塗り替えを行う必要はありませんが、選択肢として塗り替えを視野に入れてもよいでしょう。
外壁塗装を行う季節ごとのメリット・デメリット
実際に外壁塗装を行うにあたり、適切な季節はあるのでしょうか?外壁塗装は一般的に「気温5度以上、湿度80%以下」の条件下で行うのがよいといわれています。この条件下であれば、どんな季節でも施工自体は可能です。このことをふまえたうえで、季節ごとのメリット・デメリットをまとめてみます。
■春
メリット
湿度が低いことから塗料が乾きやすく、気候が穏やかで、施工しやすい。比較的気候も安定している。
デメリット
塗装工事の件数が多い人気の季節なので、塗装業社が繁忙期となり、希望通りの日程にならない可能性がある。
■夏
メリット
日照時間が長く、一日の作業時間が多くとれる。
デメリット
湿度が高すぎると、空気中に含まれる水分で塗料の乾燥が阻害されてしまう。また梅雨のシーズンなど、雨が降っていると施工ができない。(夏に限らず)塗装期間中は窓を開けたりエアコンを使ったりできないので、息苦しさを感じやすい。
■秋
メリット
湿度が低いことから塗料が乾きやすく、気候が穏やかで、施工しやすい。
デメリット
台風のシーズンなど、雨が降っていると施工ができない。
■冬
メリット
湿度が低いことから塗料が乾きやすい。
デメリット
雪が降っている場合は施工ができない。日照時間が短く、一日の作業時間があまりとれない。
ご紹介したように、外壁塗装が劣化してしまう原因はさまざまです。そして、劣化のサインにも「チョーキング」などいくつか代表的なものがあります。劣化原因はいずれも自然環境や月日の流れによるものであり、避けては通れないものですが、だからこそ定期的にメンテナンスが大切だといえるでしょう。
突然大がかりな工事が必要になって、高額な費用がかかってしまうことがないように、劣化のサインを見つけたら早めの対応をすることが大切です。