近頃人気を集めている外壁塗料「ガイナ」をご存知でしょうか。高い省エネ効果が魅力のガイナですが、まだまだ知名度は低く、名前を聞いたことがない人も多いはず。この記事では、これから外壁リフォームを行う人に向けて、ガイナの特徴や塗装するメリット・デメリットなどを解説します。断熱性や遮熱性などに優れた塗料を探している人は、ぜひ参考にしてください。
宇宙開発の技術を応用して作られた塗料「ガイナ」とは?
「ガイナ」とは、もともとロケットの表面に用いられていた塗料を、住宅用に改良したものです。地球とは環境が異なる宇宙空間で、ロケットの内部を快適に保つには高レベルの遮熱性や断熱性などを持つ塗料が必要です。ガイナはそれらの特徴を受け継いでいるため、ほかの塗料よりも高い機能性が期待できます。
中でも特に優れているのは、断熱性、遮熱性、防音性、遮音性、耐久性など。住宅の省エネ効果を高められるため、長期優良住宅や省エネ住宅にガイナが使われるケースも多いようです。また、一般の戸建て住宅だけでなく、商業施設や宿泊施設、マンションや高層ビルなど、さまざまな建築物にガイナが使用されています。
ガイナを外壁に塗装するメリット
ガイナは断熱性や遮熱性が高いため、住宅の内部を適切な気温に保ってくれます。断熱性とは、熱の移動を防ぎ、建物の温度を一定に保つ役割のこと。一方で、遮熱性は太陽の熱を反射させ、室内の温度上昇を防ぐ役割のことです。ガイナはこの2つの機能を併せ持っているため、冬は暖かく夏は熱がこもりにくい、快適な住まいが作れるのです。冬場の結露を防止する効果もあるため、室内環境をよりよくしたい人はガイナの使用がおすすめです。
また、ガイナは熱や紫外線に強く、耐久性に優れているメリットもあります。一般的なシリコン塗料の寿命は10〜15年ほどですが、ガイナの耐久年数は15〜20年ほど。こまめに外壁を塗り替える必要がなく、長期間にわたって建物の美観を保てるのです。不燃材料の認定も受けているため、燃えにくく安全性の高い住宅を作ることにも繋がるでしょう。
ガイナを外壁に塗装するデメリット
ガイナのデメリットは、初期費用が高いことです。一般的なシリコン塗料は1平方メートルあたり2,500〜4,000円ほどで施工できますが、ガイナは1平方メートルあたり3,800〜5,500円ほど。シリコン塗料の倍近い費用がかかるため、なるべく費用をかけずにリフォームしたい人にとっては少々割高かもしれません。
しかし、ほかの塗料に比べて耐用年数が長いことから、長期的にみるとかえってコストパフォーマンスがよい可能性もあります。ガイナでの塗装を考えている人は、費用と耐久性とのバランス、メンテナンスの頻度などを考慮しつつ導入を検討するのがおすすめです。
また、ガイナはほかの塗料に比べてカラーバリエーションが少ないデメリットもあります。ガイナは白を基調にした淡色や中淡色が多く、黒や紺などの濃いカラーは調色できません。ツヤありの仕上げも難しく、マットな仕上がりになります。ガイナの成分に含まれる中空ビーズによってやや表面に凹凸ができるなど、ほかの塗料とは異なる見た目の特徴もあるため、住宅の外観にこだわりがある人や、目指したいリフォームイメージが決まっている人などは、業者とよく相談しながら決めるとよいでしょう。
ガイナは、宇宙開発の技術によって作られた、省エネ性の高い塗料です。断熱性や遮熱性、耐久性などに優れており、より機能性の高い住宅を作りたい人にぴったりです。初期費用がかかりやすいデメリットがありますが、耐用年数が長いため、長期的に見るとかえって高いコストパフォーマンスが期待できるでしょう。表面に凹凸模様ができる、ツヤのないマットな仕上がりになるなど、ガイナならではの見た目の特徴もあるので、こだわりがある人はよく業者と話合って決めるとよいでしょう。