自然災害の増加や、住宅を収益物件として考え価値を下げないようにしたいなどさまざまな要素から、建物における外壁塗装の重要性は近年改めて注目されています。しかし外壁塗装を業者に依頼した際の料金は、決して安いものではありません。予算を節約したいと考えるのはもっともですが、そんなときでもしてはいけないNG行為があります。
塗料代を渋らないようにするのが第一
外壁塗装にかかる費用を、少しでも安く抑えたいと考える人もいるかと思います。しかし、そんなときでもこれだけはしてはいけないというNG行為があることをご存知でしょうか。
まずやってはいけないことの代表的なものとして、塗料代を渋ってしまうということです。外壁塗装に使われる塗料にはグレードが存在し、単純にグレードが高ければ耐久年数は長くなります。最もグレードが低いとされるアクリル塗料の耐久年数は約5~6年ですが、プロの業者が利用することが多いシリコン塗料は約10年程度と、2倍近くの差があります。
ただ、自分でグレードの高い塗料を使ってもらいたいと考えても、いわゆる悪徳業者などに依頼してしまうとグレードの低い塗料を使われてしまう可能性もあります。いろいろな業者の料金を比較して、安すぎる所は怪しいと考えた方がよいでしょう。その他、その業者で使われる塗料が1液型か2液型かも確認してください。
1液型はその液だけで使えるもので、2液型は硬化剤と主剤を組み合わせて使うものになります。一般的に、耐久性が高いのは2液型とされ、使用方法が難しい分正しく使えば高い効果が見込めます。外壁塗装業者に質問してみて、2液型を利用している所は技術的に信頼できる所といってよいでしょう。
完全自社施工でない所を選ぶのもNG
次にやってはいけないNG行為とされるのが、完全自社施工と書かれていない業者を選んでしまうということです。自社施工と書かれていない所は、発注された後の実際の施工は、すべて下請け任せということが多い傾向にあります。
下請けに依頼するとどういったことが起こるかというと、まずは伝達ミスによるトラブルです。塗装する必要がない所を塗ってしまい余計な料金を取られてしまったなど、連絡ミスのせいでかえって高くついたなどというトラブルは後を絶ちません。
また、手抜き工事をされてしまう心配もあります。元請けの業者が下請け業者に充分な金額を支払っていればよいですが、そうでなければ不当に利益を得ようとして低いグレードの塗料を使われてしまうかもしれません。
それ以外にも、足場作成などの安全面を確保する作業を怠り近隣トラブルになってしまうなど、考えうるトラブルはいくつもあります。表面上の料金が安いというだけで、完全自社施工などと書いていない業者を選ぶのはNGといえます。
必要以上の料金交渉も控えましょう
最近では、外壁塗装業者に限らずさまざまな業者の一括査定サイトなどが存在し、複数の業者の料金を比べるのが当たり前になりました。ただ、そこで依頼しようとしている所より安い所が見つかっても、それを理由に必要以上の料金交渉もしない方が無難です。
それをしてしまうと、断り切れない業者などでは必要経費を削って施工する可能性もあります。そうなると先述の通り、さまざまなトラブルに見舞われてしまう可能性も高くなってしまいます。お互い気持ちよく依頼・施工ができるということもお金の面以上に大事なのです。
ここで紹介してきたこと以外にも、外壁塗装におけるNG行為はいろいろとあります。ただ、それらに共通していえるのが、目先の安さだけを求めてはいけないということです。目先の利益にとらわれ過ぎて、建物の劣化を早めたりご近所トラブルを起こしたりしては意味がありません。長期的な目線を持って、費用を惜しんではいけない部分を明確に知って外壁塗装に臨みましょう。