リフォームの際、家の外壁を塗装することで、まるで新築のように蘇らせてくれる「外壁塗装」。どんな色にしようと考えるのは楽しいけれど、いざとなるとなかなか決められない…という方も多いのではないでしょうか?そこでこの記事では、よくある失敗談や、色ごとの詳しい特徴、失敗しないためにおさえておくべきポイントなどをご紹介します。
外壁塗装の色選びで起きがちな失敗
まずは、外壁塗装の色選びでよく起きがちな3つの事例をあげてみます。
最も起きやすい失敗が「イメージしていた色と違う!」というものです。色見本やカタログを見て気に入った色を選んだはずなのに、実際に外壁がその色に塗装されたのを見たら、思っていた色とまったく違った…といった失敗談は少なくありません。
これは、同じ色でも面積が大きいほど色が明るく見える「面積効果」と呼ばれる現象によるもの。外壁は面積がとても広いので、手元の色見本で見たときとは見え方が大きく異なります。色選びの際は、このことを念頭に置いておく必要があるのです。
2つめが、最初のうちはよかったものの、時間が経つにつれて汚れが目立ってきたというケース。常に外気にさらされている外壁は、雨や風、太陽光などの影響を直に受けるので、汚れにくさや色あせにくさまで考慮したうえで選びましょう。
3つめは、実際に塗装が済んでみると、屋根やサッシの色などとの相性があまりよくなかったというケースです。どんなに綺麗な色だと感じても、他の色と組み合わせたときはまたイメージが変わってきます。
外壁塗装で使用される色ごとの特徴
同じ家であっても、外壁がどんな色かによって、与える印象はまったく変わってくるものです。ここでは、外壁塗装で使用される色ごとの特徴について解説していきます。
■グレー
グレーシックでモダンな印象を与えてくれる「グレー」は、人気定番色のひとつ。周囲の家と調和しやすいことに加え、汚れがほとんど目立たないことが人気の理由です。
■ベージュ・アイボリー
周囲の家とはもちろん、屋根や玄関ドアなどともよく調和する「ベージュ」や「アイボリー」も人気の定番色です。計算せずともオシャレに仕上がります。グレーと同様汚れが目立ちくいのも魅力です。
■白
明るく清潔感がある「白」で塗り替えた外壁は、まるで新築のように美しく見えるでしょう。周囲ともよく調和し、表面温度が上がりにくく熱に強いといったメリットもあります。一方で、汚れが目立ちやすいという欠点もあります。
■黒
外壁が金属系の素材なら、塗装色に「黒」を選択肢に入れてもよいでしょう。スタイリッシュで都会的な印象があるかもしれませんが、工夫次第で親しみやすい雰囲気にすることも可能です。ただし、意外と汚れが目立ちやすいという弱点もあります。
■茶色
グレーやベージュなどと同様、汚れが目立ちにくく周囲の建物とマッチしやすい「茶色」は、“安心”や“ぬくもり”といった印象も与えてくれます。タイル調・レンガ調のサイディングを考えている方には、おすすめのカラーです。
■青・ブルーグレー
高級感とオシャレさをあわせもつ「青」は、ひと味違う外壁にしたいとき、候補に上がる色かもしれません。しかし、明るすぎると周囲の家から浮いてしまうリスクもあります。そこでおすすめなのが「ブルーグレー」です。周囲との調和を保ちながら個性を出すことができ、かつ汚れが目立ちにくいというメリットもあります。
■緑
自然界にある「緑」を使った外壁は、ナチュラルな印象を与えてくれます。爽やかなメタルグリーンやモスグリーンなど、さまざまなカラーがあります。いずれも木材との相性がよいため、家の一部に木材を使いたいと思っている方にはおすすめです。
■黄色
個性的ながら優しい印象も与えられる「黄色」。原色よりもクリーム色に近い黄色にすると、落ち着いた優しい印象になり、外壁として使いやすくなります。赤茶色のレンガと組み合わせことで、欧風なデザインにすることもできます。
■赤
うまく使えば高級なイメージの家にできる、オシャレ上級者の色です。原色の「赤」は、奇抜になりすぎる・色あせしやすいといったリスクもあるため、ワンポイントで使ったり模様塗りにしたりするのがおすすめです。
外壁塗装の色を選ぶ際に注意するべきポイント
それでは、よりイメージに近い理想の外壁に仕上げるためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?前述の「面積効果」により、実際に外壁に塗ってみると、色見本よりも明るく感じられるものです。また、室内と屋外でも色の見え方は変わってくるため、室内で確認した色は、実際と大きく異なる場合があります。
以上の理由から、色見本で好みの色を選んだら、必ず「塗り板」と呼ばれるA4サイズのサンプルを入手して、晴れた日の屋外で見え方を確認するようにしてください。通常のカタログよりも面積が大きく、実際に使う塗料を使っているので、実際のイメージがつきやすくなります。
汚れにくさに関しては、やはりグレー、ベージュ、アイボリーなどの淡く落ち着いた色がおすすめです。これは、外壁の汚れとなるホコリなどと色の差が少ないためです。また、濃い原色系の色は、経年劣化で色あせや変色が目立ちやすい傾向があります。とくに、赤系の色は日焼けによって色あせが起こりやすいことを覚えておきましょう。
こうした点を頭に入れたうえで、屋根やサッシ、ドアなどとの相性も考えながら、外壁の色を選んでみてください。
実際に施工が完了してしまってから「こんなはずじゃなかったのに…!」とならないためにも、外壁塗装の色選びをするうえで、今回の内容はとても大切です。事前に塗り板を用意して屋外で見え方を確認する・周囲との相性をイメージする、といったポイントをしっかり抑えることで、失敗のリスクは大きく下げることができます。色の提案に強い業社を選ぶなどプロの力も借りながら、理想のマイフォームを手に入れましょう!