外壁塗装のメンテナンスは念入りにおこなう必要があり、きちんと定期的なケアをおこなっているご家庭も多いでしょう。外壁を守るときに心強いのがコーキングです。
コーキングは現代の住宅建築で多用されるサイディングボードや軽量発砲コンクリートパネルに欠かせないものですが、どのような役割を担っているのでしょうか。
外壁の耐久性を守る役割がある
コーキングの役割は、外壁パネルの耐久性を守ることです。コーキングがどんなものかわからない場合は、外壁の目地を見てみましょう。外壁材がサイディングボードやALCパネルなどの場合、目地部分に弾性を持つ樹脂系の充填剤が見て取れるはずです。
これらのパネルは工場生産し、住宅工事現場で壁面に貼り付けることで外壁を作ることができるのが特徴です。コンクリートやモルタルを塗るより工法が早くて容易なことから、現代建築では非常に広く普及しています。
こうしたパネルは気温変化で膨張するため、貼るときには一定の隙間を空けて貼り付ける必要があります。この隙間に注入するのがコーキングであり、壁の防水性と耐候性を守る役割を担う重要な素材です。
外壁パネルはとても硬い構造なので、膨張力を吸収する素材がないと、お互いにぶつかって破損してしまいます。コーキングはその弾性で膨張を吸収し、パネルの寿命を延ばす働きを持つ頼りになる存在なのです。
残念ながら紫外線や風雨によって経年劣化することは変わらないため、年月が経つと劣化が進み、ひび割れや剥離を起こすことは避けられません。そのため外壁ともども定期的に点検し、補修する必要があります。
コーキングの補修作業の工程を解説!
ちなみにシーリングという言葉を聞いたことのある人もいるでしょう。外壁工事においてはどちらもほぼ同じ意味で使用されますので、特に違いはないと考えて良いものです。役割は外壁パネルの目地に詰め、破損や水漏れを防ぐもので、工事自体はシール工事と呼ばれる場合もあります。
いずれにしても経年劣化によって性能が落ちた場合は補修が必要となりますので、外壁塗装のメンテナンス時にチェックして、手入れをすると良いでしょう。工程としては、劣化した部分を切って目地から引き剥がし、完全に壁から取り除きます。
その後目地にしっかり注入するため目地の両端にマスキングテープを貼り、壁材に付着しないようにしたうえで接着剤を塗布します。そのまま注入すると乾燥したときに剥がれてしまう可能性があるため、プライマーなど下塗り塗料を接着剤として塗布した上からコーキングを注入するのが一般的です。
まず目地の上に盛り、これをバッカーという専用のヘラで目地にきれいに押し込んで平らにした後、乾燥させます。乾燥状況を見極めてタイミングよくマスキングテープを剥がし、美しく仕上げるのがプロの技と言えます。
補修のタイミングはどれくらいが妥当なのか
コーキングを補修するタイミングは、建物の条件にもよるので一概に言えません。ひび割れや破断、剝離などの発生はわかりやすいサインですが、劣化が進むことで弾性を失い、肉やせが発生した段階で手入れができれば理想でしょう。
沖縄は冒頭でも触れたように、建物にとっては厳しい環境条件の立地も少なくありません。定期的な検査はもちろんですが、日ごろから自分の目で見て確認し、問題がないか目を配っておくと良いでしょう。
また、ひび割れは地震などの自然災害でも起こります。強烈な振動はコーキングが追従できずにひび割れが起こりますので、見つけたら1〜2年以内に補修しましょう。破断は通常、ひび割れを放置することから発生します。
破断すると完全に役割を果たせなくなりますので、外壁を守るためにも早急に補修が必要です。剝離や肉やせの原因は主に経年劣化で、肉やせからひび割れが起こる場合もあります。いずれも役割が果たせない状況ですので、早急に補修しましょう。
沖縄は気候条件から外壁塗装などのメンテナスが欠かせない地域ですが、定期的なメンテナンスは塗装だけでなく目地部分にも必要です。目地に補填されるコーキングは、その弾性で外壁パネルの耐久性を守る重要な役割を担っています。
メンテナンスの頻度は建物の状況によっても変わるため一概に言えませんが、定期的な点検と日々の目視がとても大切です。ひび割れや剝がれなどが発生していたら、外壁パネルの寿命を延ばすためにも早急に補修しましょう。