住宅は完成時点をピークに少しずつ劣化してしまうため、メンテナンスを定期的に行う必要があります。ただ、瓦屋根はメンテナンスの手間がかからないと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、瓦屋根の中にも塗装が不要なものと必要なものがあります。そこで本記事では、瓦屋根塗装の特徴や注意点について解説します。
沖縄県は赤瓦を使った屋根が多い
沖縄といえば温暖な気候と青い海と空をイメージするでしょう。しかし、沖縄は人気の旅行スポットである反面、台風の被害が多い場所でもあります。毎年台風シーズンになると、沖縄に台風が何度も直撃するのをニュースで聞くのではないでしょうか。
台風被害の多い沖縄では、台風に強い住宅にするために本州の住宅にはない独得の工夫が施されています。たとえば、屋根に使用している瓦が強風によって呼ばされないよう、漆喰を瓦の側面と継ぎ目に塗り込んで固定していることも特徴の一つといえるでしょう。頑丈に瓦を固定することで強風にさらされても飛ばされることがないため、台風被害を最小限に抑えられるのです。
また、沖縄の瓦は赤いイメージがあるでしょう。赤い瓦は沖縄の伝統的な屋根瓦であり、沖縄の南部一帯で採れるクチャという泥岩を使用しているのが特徴です。クチャは鉄分を多く含んだ土であり、鉄分は酸化すると赤色に変化します。つまり、沖縄では鉄分を多く含むクチャを使って瓦屋根を作っているため、独得の赤色になるのです。
瓦屋根塗装の特徴
瓦屋根といっても種類があり、使用されている素材によって種類分けがされています。たとえば粘土系の瓦屋根は、昔ながらの日本家屋に使用されている代表的な瓦です。粘土系の瓦屋根は、粘土を瓦の形にかたどって焼き上げており、基本的にはメンテナンスが不要です。一方、セメント系の瓦屋根は塗装によるメンテナンスが必要になります。もしメンテナンスを行わなければ、瓦がひびわれたり破損したりして、雨漏りにつながります。
ただ、瓦屋根塗装は屋根材を葺き替えするメンテナンスよりも大幅に安いことが魅力です。
通常、葺き替えメンテナンスをするには130~160万円ほどかかりますが、塗装であれば40万円ほどしかかかりません。葺き替えすると20年ほど将来メンテナンスが不要になるというメリットがありますが、高額なのがデメリットでしょう。瓦屋根塗装の場合、10年ほどメンテナンスが不要になり、さらに半額以下の値段で施工できます。メンテナンス費用を安く抑えたい場合は、瓦屋根塗装がおすすめです。
瓦屋根を塗装するときの注意点
セメント瓦を塗装する場合、下処理が充分に行われているか確認しましょう。塗装は屋根の上から塗料を塗るメンテナンス方法ですが、いきなり塗料を塗っても充分な効果を発揮できません。瓦の表目にはセメントの駅が吹き付けられていたり、苔やカビなどの汚れも付着していたりします。
きちんと表面を洗ってから施工しないと塗料が密着せず、すぐに塗料が剥離してしまうのです。また、下処理を充分に行ったら、下塗材を充分に塗る必要があります。下塗材が不充分だと塗料が密着しないため、かなり量が必要であっても充分に塗りましょう。
まとめ
メンテナンスが不要というイメージのある瓦屋根ですが、瓦の素材によってはメンテナンスが必要です。たとえばセメント瓦は塗装よるメンテナンスが必要であり、もし塗装をしなければひび割れや破損につながります。ただ、塗装によるメンテナンスは葺き替えよりも費用が安いというメリットがあります。長期間手入れが不要になる葺き替えにすべきか、施工費用の安い塗装にすべきか慎重に検討しましょう。